この度、第7回日本 Acute Care Surgery 学会学術集会会長を仰せつかり、平成27年10月3日(土)・4日(日)、福岡大学メディカルホールにて開催させていただく運びとなりました。会員数も1000人を超えるまでに発展した本学会を主催させていただきますことを誠に光栄であり、会員の皆様に心から御礼を申し上げます。
近年、先進国では多くの分野における安全性向上により、事故が起きても重大な受傷者(外傷外科患者)の発生は著減しています。このように外傷外科患者の減少により外傷外科医の減少を招き、常に対応できる診療体制維持が困難になるという大きな問題が生じています。そのため、主に癌や良性疾患の外科治療を担当している外科医に救急外科の知識と技術を身に着けてもらう必要が生じてきました。Acute Care Surgery は、このような状況の下で米国において発展してきた概念です。本邦においても、同様な状況にあります。日本 Acute Care Surgery 学会は6年前に設立された日本 Acute Care Surgery 研究会を基礎とし、国民の救急医療に貢献する目的で活動を始めました。そして、日本外科学会や日本臨床外科学会をはじめとする多くの外科系学会の主要演題に取り上げられるなど、徐々にその意義が認識されつつあります。しかし現在は、本邦に根づく Acute Care Surgery の形態を模索している段階といえます。
今回のメインテーマを「日本型 Acute Care Surgery をめざして、教育体制の構築」と致しました。日本の救急医療変革の中にあって日本の医療風土に合う Acute Care Surgery の在り方を議論できる総会にしたいと思います。また、Acute Care Surgeon 育成のあり方も含めて広く議論可能なテーマを設定させていただきました。
The 3rd Joint Congress with The Korean Society for Acute Care Surgery が同時に開催されます。2年に1度の開催でありますが、世界中で取り入れられつつある Acute Care Surgery の概念を Global にとらえて発展させるための良い機会になるものと思います。同時通訳も付き、内容のある討論を期待いたしています。
10月の福岡は玄海の魚料理のシーズンの始まりです。総会の勉強疲れを癒すには博多や中洲での食事が一番です。皆様気を付けてお楽しみ頂きたいと思います。会場でもささやかの名物をご用意いたしています。是非多くの先生方のご参加をお待ちしています。
平成27年1月吉日